スイス紀行 ヴィアネイ・ハルター サントコアワークショップを再訪 レゾナンスと古い機械への愛

 By : CC Fan

WMOの最初期にメゾンを訪問、そして来日時にインタビュー「独立時計師」についての講演のレポートをお伝えした独立時計師ヴィアネイ・ハルター(Vianney Halter)。
今回のスイス紀行で、おおよそ10年ぶりにサントコアにある氏のアトリエを「再訪」し、最近の制作活動、特に個人的に注目しているレゾナンス関係についてのお話を伺うことができました。



1963年生まれ、御年63歳のヴィアネイ、以前の訪問の時も「時計師たるもの毎日ワークベンチ(時計師机)にむかわなければいけない」と(車をすごいスピードで飛ばしながら)語った現場主義、それは今も変わらないか?と聞くと「もちろん」で、自身の机をワークショップに持ち、そこに向かって制作に取り組んでるそう。

現在は氏を象徴する3軸トゥールビヨンの「ディープ・スペース・トゥールビヨン」、レゾナンスと3軸トゥールビヨンを組み合わせたスーパーコンプリケーション「ディープ・スペース・レゾナンス」、レゾナンスにフォーカスした固定テンワの「ラ・レゾナンス」の3コレクションの注文分を制作中とのこと。

それと並行して新作の構想も…ですが、「レゾナンスは一旦やり切った」そうで、また別の方向のようで楽しみです。

以前のワークショップから引っ越して日が浅い、という事で一部まだのとこのがあるが…と案内していただきます。
まずは部品加工を行うマイクロメカニクスの部門です。



10年枚にもあった「自作」CNC工作機械?



特徴的なケースも含め、必要な加工は社内で出来るようにしている、と語るヴィアネイ。
ケース・地板・ブリッジを加工するフライス盤(直交加工)と歯車・軸を加工する旋盤を数値制御と手動の両方で良好な状態で維持しています。

彼の後ろに工作機械と金属材料のストックが見えます。



年式ゆえの使用感はありますが、きれいに保たれ「凄味」を感じる工作機械。



手動機械も…
ここのレイアウトはまだ本決まりではない、とのことでこれからさらに最適化が行われるようです。



続いて時計師が作業する部屋へ、ヴィアネイの「自席」の前で話を伺います。



手前にあるのは…



ヴィアネイ式のレゾナンスの検証機!

特許調査しましたが、改めで原理を質問したところ「テンワのひげが向かい合うように対向させ、ヒゲ持ちを一体化させる、ヒゲ持ち経由で微小な振動が行き来することで共振現象を発生させる」というものだそう。

ヒゲ持ちから振動を取り出す「他の実装」との違いは?と伺ったところ、他の実装は振動が反対側に伝わりやすくするためにヒゲ持ちが動くようになっており、それが共振が発生していない単体性能を悪化させてしまうと考えており、ヒゲ持ちはほぼリジットに取り付けるのがヴィアネイのやり方のようです。
「アコースティック(音)・レゾナンス」とは言うものの、空気を伝わる音ではなく、ヒゲ・ヒゲ持ちの固体中を伝わる振動(音)を使ってレゾナンスするため、真空中でも動作する、とのこと。

また、テンワが縦に積み重なっているので組みあがってしまえば接触のリスクも少ない、と考えられます。



こちらは「ディープ・スペース・レゾナンス」の地板、「大食い」そうな機構を動かすための4香箱構成が見えます。
発表時に個人的に感動していたプロトタイプの「差動装置」ディスプレイほ別の方式に変更予定だそうです。
読みにくかったんですかね…



いい笑顔が。
現場主義が良いですネ…と最近改めて思います。

そして、ヴィアネイの工房と言えば…







時計に限らない「古い機械」のコレクション群!
ぎっしりありますが、一部はフランスの別拠点に運んだそうで、これでも減ったそうです。



スタートレックのポスターなども、ここからインスピレーションを得るそう。



個人的に興味深かったのはこちら、2500キロワット表示の電力計、磁気回路と機械で電流と電圧から電力を求めるのですが、2500キロワットは中々大きいです。
これはスイスの水力発電所で使われていたもののだそう、なるほど…

このまま、ヴィアネイの置時計としても…



2500キロワット!




工業的なメーターとは違い、針のデザインや筐体の造りが特徴的です。
ここからヴィアネイの世界として解釈していくのでしょう。



「これは?」「オーパス3の原理模型」、とのことである意味伝説のハリーウィンストンとコラボ作品のオーパス3に一部のようです。
何をやってるかはさっぱりですが、カウントダウンの部分か…?



小柳さんと。

イベントではお見掛けするものの、今回改めてお話を伺いました。
お元気そうで何よりです!



【コンタクト】
Vianney Halter
contact@vianney-halter.com
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小柳時計店
http://www.koyanagi-tokei.com/vianney-halter.html