MB&F、M.A.D.Editions 第三章として ヴィンセント・カラブレーゼによる「M.A.D.3 VINCENT CALABRESE」を発表
From : MB&F (エムビー アンド エフ )M.A.D.3 VINCENT CALABRESE
もしM.A.D.Editionsがウォッチメイキングの分野で他には真似できない場所を確立しとすれば、 M.A.D.3: Vincent Calabreseのヴィンセント・カラブレーゼはウォッチメイキングの裏側にいる他に類を見ない男と言えるでしょう。御年82歳、時計師の「異端児」の反骨精神はこれまでになく絶好調。
その価値観、そしてイノベーティブな魂がM.A.D.Editionsと見事にマッチしています。
ウォッチコンセプト「Baladin」を武器に、詩を思わせるワンダリングジャンピングアワー。
新しい時代を切り開く、納得のウォッチが誕生しました。
M.A.D.Editionsがスタートして以降、既存のウォッチブランドのように固定化したビジュアルランゲージを持たせたり、定番のコレクションのシステムを検討したことはこれまでに一度もありません。M.A.D.Editions として形にするアイディアは、むしろ毎号「違う著者、違う物語、違う想像力の世界を、変わらない編集者の視点で1つにまとめる」出版社の姿勢に近かったと言えるでしょう。
各プロジェクトは特別な出会い、人物、会話、あるいはある魅力を分かち合うことから始まります。重要なのはオブジェクトを裏から支えるアイディア、携わった人々のエネルギー、そしてM.A.D.Editions以外でプロジェクトが完了することはありえなかったという感覚なのです。そういう意味では、ヴィンセント・カラブレーゼとのコラボレーションはごく当然のことでした。
ヴィンセント・カラブレーゼとは?
ヴィンセント・カラブレーゼは50年以上に渡り、ウォッチメイキングの世界で独自のポジションを築き上げてきました。現代のオロロジュリーでは彼の名前がメインストリームとして出ることはあまり多くないかもしれませんが、ウォッチの世界を少しでも掘り下げてみるとありとあらゆる部分で影響を与えたことがわかる、そんな人物の一人です。アウトサイダーであり、かつて自らを「l’enquiquineur de l’horlogerie(クリエイティブなトラブルメーカー)」と呼んだこともあったヴィンセント・カラブレーゼは、これまでの慣習に疑問を投げかけ、既に認められているソリューションに対して果敢に挑み、機械に対して全く違った角度からアプローチすることに人生の多くを費やしてきました。

まだ「独立時計師」という概念が存在しないに等しかった1985年、スヴェン・アンデルセンと共にAHCI(独立時計師アカデミー)を創設。彼が「コルム」のために手がけた「ゴールデンブリッジ」は、これまでに世に送り出されたムーブメントの中でも特に印象的なものとして知られています。ワンダリングアワー、トゥールビヨン、そして既存のコンセプトをひっくり返すようなメカニックシステムを多数開発し、全く予想外の角度から問題点に迫ることも多かったヴィンセント・カラブレーゼ。これまでのキャリアで40を超える特許を取得しています。
しかし、それにも関わらず、ヴィンセント・カラブレーゼには本質的にどこか磨ききっていない部分があり、その持ち味が最大限発揮されていたとは言えません。自身の名を掲げてラグジュアリー帝国を築くようなウォッチメイキングの方向性とは異なっていたのです。彼がいつ何時でも貫き通したもの、それはクリエーションを行わなければならないという気持ち、好奇心、そして何かをするうえで別の方法で試してみる意欲でした。伝統的なウォッチメイキングとは違う世界からやってきた、ということが逆によかったのかもしれない、と彼はよく話します。必ずしも「自身がやるべきこと」がわかっていたわけではなかったヴィンセント・カラブレーゼは、ありとあらゆることに取り組みました。そんな「自由」なところが、彼の作品に決定的な特徴となるのです。
ナポリに生まれ、10代のときにスイスへ移住したカラブレーゼは、オロロジュリーの王道とはほど遠い道のりを歩んできました。大それたプランがあったわけでも、慎重にキャリア戦略を考えたわけでもありません。自身のキャリアは、いろいろな意味で偶然が重なったものだったのではないかと自分に言い聞かせることもあるほどです。アイディア、出会い、失敗、ブレークスルー、そしてゼロから開発のやり直しの連続だった中での偶然。
現代のウォッチメイキングでは、ある種のアイディアが浮かぶことが重要な瞬間として刻まれます。そういう意味で言えば、ヴィンセント・カラブレーゼは混沌とした道へ転落した存在です。しかし、成功を収め挫折を味わい、継続的に再開発に取り組む彼が、前を見て進むことを止めることは決してありませんでした。同じ好奇心を一貫して持ち続け、自由なスタンスはそのままに、ウォッチメイキングの世界に飛び込んで以降、彼を導いてきた感覚的な考えを忘れることなく制作に打ち込んだのです。特許を早急に手放して会社は倒産寸前、金銭的に追い詰められた状況で携わったプロジェクトでは他の人々ばかりに恩恵があったなど、カラブレーゼはエピソードに事欠きません。しかし、仕事にプライベート、極限まで追い詰められた時期を乗り越えた彼は、あるときを境に全てを一からやり直さなければならないという結論に至ります。そしてわずか数か月後にはまた前を向いて進み続けるため、これまでにないムーブメントを4つ開発したのでした。
苦しかったときのことを語るときも、ヴィンセント・カラブレーゼは晴れやかです。結局どうあがいても、本当に自分が心からやりたかったことはウォッチメイキングではない ― そんな感覚が抜けないながらも、悲痛が感じられないのは彼の正直な気持ちの表れなのでしょう。
「Baladin」に宿る魂
ウォッチ「Baladin」が特別な理由は、おそらくヴィンセント・カラブレーゼの心の持ちようがあってこそのことでしょう。コンプリケーション自体は「従来のジャンピングアワーの特性である『不愛想な感じ』を好ましく思えない」という意外とシンプルなところから出発点しています。彼にとって、ジャンピングアワーの動きはあまりにも唐突で、実際に時間が過ぎていく感覚から逸脱しているように見えていました。「時」が少しずつ移り変わる様子をより簡潔に表現したかったのです。

これを基に「時」が瞬間的にジャンプする形ではなく「分」が普通に動き続けている間、ダイヤル上で「時」が徐々に進行していくジャンピングアワーを開発。その結果は、不思議と「生きている感覚」を伝えるものでした。まず、混沌としているといっても過言ではないディスプレイ。しばらくすると突然、直感的にわかりやすく読める瞬間が訪れます。そして重要なのが、大部分の従来型ディスプレイと比較して、時間との関係性が全く違った形で映し出される点でしょう。一言で突き放すならば「機械的ではない」という感覚でしょうか。よりなめらかで、どこか人間らしさを覚えるのです。
このイメージは、M.A.D.Editionsの哲学と非常に自然な形で馴染みます。実際、M.A.D.Editionsのアイテムは第一印象で遊びごころが効いた、型破りなものに思われがちですが、その奥にはもっと深い「何か」が存在するのです。機械的なクリエイティビティを極めたいという純粋な興味、そして最高にハイエンドなインディペンデント・コレクションという非常に小さな枠組みを超え、アイディアをより多くの人々の手に届く形を実現したいのです。
構想をたくさんの人に知ってもらうことは、ヴィンセント・カラブレーゼにとっても大切なことでした。他を排除し、己の道を狭めながら一気に突き進むようなことにも陥りやすいのが独立時計師でもあるのですが、カラブレーゼは自身が手がけるウォッチが現実的に制作できるものであるというスタンスを忘れません。彼の興味は珍しさをまとったウォッチを創り出すことではなく、アイディアを探求することにありました。逆を言えば、これまで同期の職人たちのように顕著に持ちはやされることがなかったのも、皮肉にもそんな部分があったが故のことかもしれません。おそらく、彼の功績が本当の意味で正しく語られたことはこれまでなかったのですから。
「Baladin」、「M.A.D.3」への変貌
MB&F、そしてM.A.D.Editionsの生みの親、マキシミリアン・ブッサーにとって、ヴィンセント・カラブレーゼとは常にこれまでの常識であった業界のロジックからは完全に一線を画し、ウォッチメイキングのあり方を変える力がある、独特のクリエーターを体現する人でした。
2人がお互いの存在を知ったのは、最近のことではありません。M.A.D.Editions やM.A.D.3が存在するずっと前から言葉を交わし、ランチを共にしながら、コラボレーションの話が出ていたほどでした。機械的な視点で考えるとアイディアが壮大になり過ぎたプロジェクトもあれば、純粋に流れてしまったプロジェクトもありましたが、2人の関係は続いていきました。ビジネスの関係を見据えていたわけではなく、2人の間にはお互いに対する理解があったからです。

マックスもヴィンセントも、業界の基準となっているルールに縛られるのを快く思ったことはありませんでした。形の違いはあれ、2人は独自の世界を構築するうえで、既存の枠組みではなく、実験、直感、感情を中心に据えて作り上げてきたのです。そういう意味で、M.A.D.3は2人の奇跡がついに適切な形で交わりあった、といっても過言ではありません。ごく自然に計画が持ち上がったのは2年前、2人でランチを楽しんだときのことでした。背景に何か大きな戦略があったわけではありません。純粋にいっしょに制作に取り組むことがごく当然のことにに感じられるときが、ついにやってきたのです。
これまでに誕生した「Baladin」をそのままの形で再提案したかったわけではありません。ヴィンテージの再来を目指したわけでもありません。2人が考えていたこと、それはヴィンセント・カラブレーゼのコンプリケーションに宿る魂はそのままに、M.A.D.Editionsの世界観の一部となるよう解釈することでした。

しかし、プロセスは予想以上に難航。ヴィンセント・カラブレーゼ オリジナルのメカニズムは、まさに職人が手がけた構造をしていました。直感と実験を通して形となった感があり、非常に独創的だったため、信頼できる性能を維持した状態で制作スケールを大きくするのはそう簡単なことではなかったのです。そのため、M.A.D.Editionsの技術チームは「Baladin」オリジナルのワンダリングアワーモジュールの中でも特に決め手となる、流れるように「時」が徐々に移り行くというポイントを維持したまま、改めて開発し直す必要に迫られました。
「触れてはいけない領域」となったワンダリングアワーに合わせる形で、それ以外の要素が進化していきました。特別に最適化されたラ・ジュー・ペレ社のキャリバー「G111」をベースに、コンプリケーションを効率的に動かすためのエネルギーに対応できるようムーブメントに手を加えました。ベースのキャリバー自体もより範囲を狭め振り幅のコントロール力をアップさせることでパワーリザーブも安定しました。ワンダリングアワーモジュールも制作数を増加できるよう、デザインや設計に総合的な見直しを加えています。
M.A.D.3のための新コンポーネントも特別にご用意。技術チームでは今回、信頼性とエネルギーの伝達力、そしてウォッチの長期的な安定性の向上に全力で取り組みながら、カラブレーゼならではのアプローチ ― 違和感のないビジュアル、カラブレーゼならではのディスプレイ特徴、魔法のような感覚を壊さないようにすることを特に意識しました。
ウォッチを裏返すと、スピニングローター越しにもう1つのディテールが少しずつその正体を明かします。

ムーブメントが回る動きに連動してオープン部分からは「Il est assez aisé de plaire aux autres, bien plus ardu d’être fier de soi (周りの人を満足させるのは意外と簡単なもので、本当に難しいのは自分自身に誇りを持つことだ)」というメッセージが徐々に姿を現します。自分の力で進み、妥協することなく、他者が認めるものよりも自分自身の信念に沿って歩いていく。ヴィンセント・カラブレーゼの謙虚な人柄を映し出すフレーズを厳選しました。

デザインとしても、再解釈とリスペクトがバランスよく融合したものと言えます。ケースを手がけた長年のMB&F フレンズ、エリック・ジルーはM.A.D.Editions らしいディテールはそのままに、M.A.D.の世界を別の形で表現することを模索。フローティングデザインの針、レイヤード構造、フロントとバックのサファイヤクリスタルにはカーブを持たせ、機械的なディテールをわずかに残しながらも全体的なシルエットはエレガントで遊びが感じられ、このプロジェクトの神髄であるテクニカルな深みを感じるデザインとなっています。

サファイヤを使用した分針は丸みを持たせ、スーパールミノバは透明のエレメントに隠れるように搭載。ディスクを重ねたような構造、そして徐々に明るさが増していくダイヤル。開発期間を通して、技術的に非常に細かい部分や目に美しいディテールで満ちたプロジェクトとなりました。

また、温かさのある深いラズベリーにパワフルさとエレガンスを併せ持つブルー、ヴィンセント・カラブレーゼ自身が制作したウォッチから直接のヒントを得たカラーも見逃せないポイントです。上品な中に豊かな表現力を感じさせ、洗練されていながら光や反射角度によって予想不可能 ― 彼がこれまでに制作したウォッチの中でもひときわ際立っていた、ヴィンセント・カラブレーゼという人物のキャラクターとは切っても切れない力を持っているカラーです。

最後に「M.A.D.3 Vincent Calabrese」はノスタルジックなモデルではなく、光を当てるウォッチです。何十年という歳月を、ウォッチメイキングを違った形で突き詰めるために費やしたある人物に光を当てるウォッチです。ただ反旗を翻すためではなく、何か行う方法は他にもあるはずだと一途に信じ、これまでの慣例に挑んできた人物を輝かせるためのウォッチなのです。
「高速道路を走り続けてはいけない。自分の道を選ばなければ」というヴィンセント・カラブレーゼの言葉に忠実に。
【技術仕様】
M.A.D.3 VINCENT CALABRESE
参考価格: CHF 2’900 VAT.
抽選販売のブルー(画像上)と、「The Tribe and Friends」限定のピンク(画像下)の2モデルのご用意があります


ムーブメント:ベースムーブメントはル・ジュー・ペレ マニュファクチュール キャリバー G111(自動巻き)
・「Swiss made」
・MB&Fによる双方向ジャンピングアワー
・トレイルミニッツモジュール
・ケース内直径:25.6mm ( 11.5”)/厚 4.45mm
・バランス/周波数: 4Hz / 28,800k回転/秒
・ジェムストーンの数:24
・パワーリザーブ:55時間
ケース:ステンレス316L
・ケースサイズ:直径 40mm/厚 12.7mm
・2針を合わせた最大の長さ 43.7mm、針の幅 21mm
・防水:30m / 3ATM / 90ft
・両面に反射防止コーティングを行ったサファイアクリスタル
・底面のサファイアクリスタルには内部にも反射防止コーティングを施しています
ストラップとバックル:レザーストラップ
・ステンレスのフォールディングバックル
【コンタクト】
MB&F
Route de Drize 2
1227 Carouge, Switzerland
Tel: 41 22 508 10 39
Mobile: 41 79 416 80 14
arl@mbandf.com
www.mbandf.com
[M.A.D.EDITIONS]~今日に至るまでのストーリー
MB&F 創立者 マキシミリアン・ブッサーの家族、そして近しい友人たちにはMB&Fのウォッチを購入することができない ― そんな不満がきっかけとなり誕生したのが、M.A.D.Editionsでした。どうすれば、MB&Fは同じようにクリエイティブなウォッチをより良心的な価格で提供できるのだろう? そんなアイディア、そしてスケッチが出発点となったのは今から10年以上も前のこと。しかし、他の問題もあり、具体化には至りませんでした。
そして、時は流れて2020年のこと。コロナウイルスで停滞した地球は疲弊しており、ウォッチメイキングの世界も同じ状況に陥っていました。その危機対策ミーティングの際、誰かがこんな斬新なアイディアを投げかけたのです。「もっと『手の届く』プロジェクトを立ち上げたら、どうだろう? 」ただ、世界全体がメルトダウンに直面している状況で、新ブランドや新プロジェクトを発表するのは常識を逸脱しているでしょう。そこで別のアイディアが浮かびました。「従来の感覚とは違うブランドなら、どうだろう? そう、1回限りのドロップエディション」ブランドを存続させなければならないことは変わりません。限定エディションならいつ始めて、いつ終わりを迎えてもいいのです。
数か月が経過したところで、思いもよらなかったことが発生します。なんと、ウォッチの需要が回復した…どころか、爆発したのです。突如、MB&Fには注文が殺到。そんな状況でM.A.D.1プロジェクトはどうなるのでしょうか? 答えは至って簡単、MB&Fのサプライヤー「フレンズ」、そしてブランドの初期から支えてくださったお客様「トライブ」のための限定コレクションとなったのです。2021年6月、そのご案内メールが「トライブ&フレンズ」500名のアカウントに送信されました。目を惹くキャンペーンはなし、ソーシャルメディアへの投稿もなし。純粋に、ブランドへ信頼と愛着を寄せてくださったことへの感謝のメッセージ ― そして、その気持ちを込めてウォッチをご購入いただける機会をご提供するというご案内でした。ファンファーレもなし、宣伝もなし。本当に1通のEメールだったのです。
そこから何日か過ぎたところで、避けては通れないことが起きてしまいます。インスタグラムに、画像が流出していたのです。ウォッチのコミュニティの状況は、といえば、激怒のメッセージで溢れていました。「やっとMB&Fから手の届くウォッチが発売されるのに買えないなんて、まさか本気の話ではないだろう?」マキシミリアン・ブッサーが短い動画で経緯をお話ししたのは、2~3週間後のことでした。「今回は、ブランドを発表したわけではありません。1回限りのプロジェクトです。とはいえ、皆さまのご意見はしっかりと伺いました。少しだけお時間をください ― 全力で何かをお届けできるように努めます」
初となるM.A.D.1 Blue 「トライブ&フレンズ エディション」は、当初予想を遥かに超えた成果を残しました。ご要望にお応えするため、2022年には初めて一般向けとなるM.A.D.1 REDを発売。スリムになったベゼル、クラウンには丸みを持たせアップデートしました。すると、状況はさらにヒートアップ。しかし、ここでお客様がブティックの前に列を作る代わりに、MB&Fではお客様に平等にウォッチ購入権を獲得できるよう抽選システムを採用しました。このシステムは、今日まで続いています。
結果は…それはそれは「MADness(理性を失うほど喜ばしいこと)」でした( M.A.D.Editionsだけに)。最初のM.A.D.1 ブルーがレッドになり、グリーンに代わり、ジャン=シャルル・ド・カステルバジャック氏とのコラボレーションモデル「Time to Love」、ラ・ジュー・ペレ社の「Swiss-made」キャリバー搭載、よりスリムでスマートになったM.A.D.1S、そしてインカ・イロリ氏とのコラボレーションモデル「Grow Your Dreams」に至るまで、抽選会が行われるたびに、何千ものファンの方々が参加してくれることになったのですから。
そして、チームが驚くべき新事実に直面したのも、また突然のことでした。本当であれば、起きるはずのないことでした。計画されていたわけではなかったのです。しかし、チームが好む、好まないに関わらず、M.A.D.Editionsは徐々に進化を遂げ…独立したブランドとなりました。理屈で話すならば、1の次には2があります。しかし、ここで意外な展開があるのです ― M.A.D.1をひっくり返すと、裏側にマキシミリアン・ブッサーの名が刻まれているのがわかります。M.A.D.2は、別の人物が手がけるクリエーションなのです。新しい章、新しい物語、新しいエディションが幕を開けたのです(M.A.D.Editionsだけに)。
2025年にM.A.D.Editionsでは全くの新アイテム、デザイナー エリック・ジルー氏によるM.A.D.2.を発表しました。MB&Fのウォッチでで知られるエリックが、今回は独自のビジョンを提供しM.A.D.Editionsに彼ならではの特別エディションを制作する絶好の機会となります。1990年代のクラブシーンをインスピレーションに、なめらかな小石のようなケースに回るレコードを思わせるダイヤルにジャンピングアワー ― 旧バージョンとは思い切った違いが光るアイテムです。
そして2026年、M.A.D.Editionsにヴィンセント・カラブレーゼが加わりM.A.D.3が誕生しました。
ここに至るまで、M.A.D.Editionsは ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)で2つの賞を受賞。見事、2022年には3,500スイスフラン以下のウォッチを対象としたチャレンジウォッチ賞にM.A.D.1 REDが、2025年には3,000~10,000スイスフランのウォッチを対象としたプチ・エギーユ賞にM.A.D.2が選ばれました。
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